伊東の方言6
伊東の方言
た行の難解方言選抜
●たーけもん-----たわけもの
愚か者、馬鹿者への罵言。このたーけもんめ。
●たーっこと-----たわけた言い草
なにょーたーっことー言ってーるだー。
●○○だっただーに-----でしたのに
得意科目だっただーになーさ。
●だいさん-----財産
あのお宅はだいさん家だそうで。
●だだーこねる-----無理難題を言う
あいつはだだーこねてーるだーよ。
●たたっくらーせろ-----叩きつけてやれ
そんな金、たたっくらーせてやれ。
●たばける-----とぼけ・たわける
承知してするとぼけ、たわけた表情や所作。
●だべる-----無駄口をたたく
奴は又なにょーかだべってーる様だーじゃー。
●だまくらかす-----あざむく・だます
また、あいつにだまくらかされた。
●たまげる-----驚く
へ~、それにゃーたまげたなー。
●たまにゃー -----ときには
たまにゃー旅行にでも。
●たんだ-----わずかに
大変だったのにたんだこれだけか。
●ちーちー -----けちくさい人
あの社長はちーちーで話にならねー。
●ちーっとばっかし-----少しばかり
ちーっとばっかしだーけんど食べてくんな。
●ちーっくい-----極端に小さい
彼は体がちーっくいなー。
●ぢっき-----子供の遊び
4,50cm位の木の枝を地面に突き立て、倒し合う。
●ちっけん-----じゃんけん
順番はちっけんで決めよう。ワンチッチ。
●ちったー -----少しは
大したことはできねーがちったー寄付しよう。
●ちゃーっと-----大急ぎで
待ってーるからちゃーっと・・・。
●ちゃら-----出まかせを言う
あいつはちゃらを言うからあてにならねー。
●ちゃらっかとしろ-----「ちゃーっと」に同じ
もたもたしてーるな・・・ちゃらっかとしろ。
●ちゃらんぷらん-----いい加減・無責任
あいつはちゃらんぷらんで当てにならない。
●ちょうける-----おどける
なにょーちょーけてーるだー。
●ちょーちょーしい-----表現行動が大袈裟
あの人は随分ちょーちょーしい人だねー。
●ちょうちょんめ-----蝶々
幼児語の延長が定着か。
●ちょーらかす-----からかう
あいつをちょーらかしてやるか。
●ちょっくら(り)-----少々
用事ができたからちょっくら待ってくれ。
●ちょっけー -----おせっかい
横からちょっけーをだすなよ。
●ちょちょーる-----いたずら・からかう
ふざけて相手を困らせ、恥しがらせる。
●ちょべちょべする-----でしゃばる
あいつは出来もしないくせにちょべちょべする。
●ちょれー -----鈍い・ちょろい
あいつは何をやってもちょれーくせに・・・。
●ちょろまかす-----ごまかす
旨い事を言ってちょろまかすつもりらしい。
●ちょんがー -----独身男性
あいつはちょんがーだから・・・。
●ちんたらちんたら-----動作が特に遅い
なにょーちんたらちんたらしてーるだー。
●ちんちくりん-----極端に小さい
この犬は随分ちんちくりんだね。
●ちんぢらげ-----ちぢれ毛
昔は縮れ毛が格別に目立ったそうです。
●ちんぶりをかく-----すねる
彼女はすぐにちんぶりをかいて手に負えない。
●チンチンにわかす-----湯を沸騰させる
消毒したいから湯をチンチンに沸かしてくれ。
●つきえーなかま-----付き合い仲間
この衆(し)は皆つきえー仲間だーよ。
●つぐら(む)んで-----しゃがみこむ
そんな所につぐらんでどうしたの?
●ツクリンヨーシ-----法師ゼミ
農作物の豊作を祈念しての仮称か。
●つこどれる-----壊れる
無理をするとつこどれるど。
●つっかーす-----壊す
改築の為家をつっかーす。
●つっかけぼーし-----責を押し付けあう
お互いに他に責任を押し付けあう。
●つっからかす-----強くつき押す
特定の対象を目がけてつき押す。
●つっころばす-----強く突き倒す
倒す目的で強く押す。
●つつっぽー -----筒袖の着物
仕事着、下町の人が多く着用した。
●つっこす-----水に浸す
洗濯物をタライへつっこしておきなさいよ。
●づねー(づない)-----強い
あいつは相撲がづねーそうだねー。
●つめる-----錠をする
玄関をつめる。
●つもじ-----つむじ
あいつはつもじまがりだからな。
●つらめーる-----捕まえる
トンボをつらめーたよ。
●つるくる-----乾燥の場合の吊る
軒先に大根をつるくる。
●つんだす-----突き出す
正常状態を越えた様なしぐさ、又はつきつける。
●つんぬける-----つきぬける
強すぎて裏までつんぬけてしまった。
●つんむる-----もれる・失禁
我慢できなくてつんむった。
●つんもす-----燃す
大規模に燃す場合等に。
●てー -----三者を指す場合
あのてー(手合いの略か)も一緒に誘って行こう。
●でーく-----大工
総じて「大」を「でー」と発音していた。
●てーこ-----太鼓
祭りのてーこが鳴っている。
●でーこ-----大根
でーこのおでんで一杯やるか。
●でーてー -----大体
よし、でーてー判った。
●でーなし-----台無し
あいつのせいででーなしだよ。
●てーへん-----大変
てーへんな被害だったよ。
●でこすけ-----この愚か者
又へまーやったか、このでこすけ。
●てめえっちゃー -----お前(自分以下二人称)
てめえっち責任のくせに高見の見物かよ。
●でろ-----泥
でろをこねる。
●てんから-----はじめから
てんから駄目だと思っていたよ。
●てんが-----手際・手の内
とても俺のてんがにゃーおえねーよ。
●てんごー -----変則的な策
誰だ!こんなてんごーをかいたーのは・・・。
●てんでに-----各々・個々に
道具はてんでに持つように。
●・・・・ど-----顛末告知(接尾語)
約束の物を造っておいたーど。
●どーきん-----雑巾
皆でどーきんがけだ。
●どーご-----道具
どーご箱はどこだ。
●どーさどーさ-----どーしてどーして
どーさどーさそんなに見下げたもんじゃねーぜ。
●どーずら-----どうでしょう
この位の値段でどーずらねー。
●どーづく-----いじりもてあそぶ
売り物だよ、あんまりどーづくなよ。
●ときえーにゃー -----時折・ときたま
ときえーにゃー遊びにこらっしぇーよ。
●とけーはねー -----取るに足らない事
そんな事なんかとけー(土芥)はねー事だーじゃー。
●とこたら-----日常多発の事象
騒ぐこたーねーそんなこたー普段とこたらだー。
●とす-----嘔吐
気分悪く吐くこと。
●とちょーむちょー -----乱れ纏まりない
彼の答弁はとちょーむちょーで捉えどころがない。
●とったかみたか-----金が入ると翌日に文無し
江戸っ子気質で取ったか見たか・・・と。
●とっつかめーろ-----捕まえろ
敵意か憎悪を持って捕らえる場合。
●とばむ-----開いてしゃがむ
和式トイレでの様な姿勢。
●とびっくら-----駆けっこ
とびっくらが鈍い。
●どらっこ-----不義の子
私生児といったが昭和十七年民法改正で同呼称廃止。
●とりっかー -----欲深い人
あいつはとりっかーで付き合えない。
●とれー -----格別鈍い
とれー野郎だ。
●とわりすぎ-----熟しすぎ
この柿はとわりすぎだなー。
●とんがらかす-----尖らす
そんなに口をとんがらかして怒らなくても・・・。
●とんずらをこく-----途中で逃げ出す
仕事をとんずらをこいちゃった。
●とんだす-----取り出す
鞄からとんだす。
●とんちき-----まぬけ
とんちきな奴だな。
●とんぼぐち-----戸口・玄関口
すぐ行くからとんぼぐちで待っててくれ。
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伊東の方言
-伊東町当時の話し言葉回想-
藤原 毅 著
*上記の本を参考、コピーさせて頂きました。
*問題があるようでしたら、即刻削除いたします。
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